2015/04/15 新規作成

法人向けのETC専用カード

はじめに

水耕栽培を始めてから、液体肥料の濃度を管理する必要が出てきました。
一般的には導電率計(ECメータ)で濃度を計るようです。

導電率計は、水に溶け込んでいるイオンの量によって電気の通り具合が変化するという現象を計るものです。
極端に言えば抵抗計と同じような感じになるかと思います。
これくらいのことであれば精度は別として、ある程度の物を自作できるのではないかと思い、試作してみました。

ただし市販の導電率計(ECメータ)は、計測値がジーメンスという単位で表示されます。
が、この試作品ではマイコンのA/D変換値のみを表示しています。
というのも、値をジーメンスへ換算するには電極の面積が必要ですが、今回は電極に適当な金属棒を使ったため表面積の計算が困難だからです(汗
しかしながら、水やそれに混ぜた液肥、あるいは日々の濃度の変化が分かればいいので、私の利用用途としては十分であります。

外観はこんな感じです。


設計

いろいろ実験していた過程で、最初は何も考えずに直流で計測していました。
しかし、塩水に入れると電極の片側から泡がブクブクと・・・
直流を塩水に通したことで電気分解してしまったようで、これでは計測結果が不安定になります。
そこで、こちら の湿度センサを実験されているページを参考にさせていただき、疑似交流(?)で計測することにしました。

回路図はこんな感じです。

ある時間、電極に電圧を加えると、水溶液を通してコンデンサが充電されます。
このコンデンサに充電された電圧をマイコンのA/D変換で読み込み、LCDへ表示します。

電極と並列に入っている抵抗は、コンデンサの放電用です。
電極を水溶液から上げると、電極がオープンになってコンデンサの放電がされなくなるのを防ぐためです。

乾電池1本の1.5VをDC-DCコンバータで5Vに昇圧し、その後にレギュレータで3.3Vを作るという回りくどいことをしています。
実は3.3VのDC-DCコンバータで試作したところ、どうしてもリプルが取れずA/D変換の値がふらついてしまったためです(汗
DC-DCコンバータの後にレギュレータを通すとなんとか安定してくれました。


製作

マイコンは14ピンのPIC16F688を使いました。
I2CのLCDを使えば8ピンのPICで十分なのですが、あいにくI2CのLCDは手元になくて・・・

電極はこんな感じです。

まあ、適当です・・・
3Φのステンレス棒があったので、これで作ってみました。

一つあるスイッチを短く押すと、大きいフォント表示と詳細表示を切り替えます。

電極がオープンのときにスイッチを3秒くらい長く押すと、現在の値を基準として表示値をゼロリセットします。
初めて電源を入れたときに、値が安定したらゼロリセットしてください。
この設定値はEEPROMに書き込まれ、次回の電源ON以降はこの設定値が引き継がれます。


ファイル類

PIC16F688用です。
CCSコンパイラでコンパイルできます。

ソースとHexファイル ec_portable.zip


そのた

いくつかの純抵抗で測ってみた結果です。

非リニアなグラフになりましたが、水道水や液肥ですと10kΩ以下で、ある程度リニアな領域で使えます。
液肥の濃度が濃くなった、または薄くなったかの目安として、お手軽に計測する分には十分かと思います(汗

水溶液の温度によっても導電率は変化します。
本機は温度補正が入っていませんので、まったく同じ濃度の水溶液で計測しても液温によって表示値が異なります。
あくまでも簡易的ですので・・・

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